イタリアの中古住宅を格安で購入、英国人男性が味わった苦労と喜び
煙突の倒壊
購入した家のある構造上のトラブルが心温まる話に発展した。ある年のクリスマスイブに、不安定だった煙突が大雪によって倒壊した時、隣人の1人が屋根に上がって補修してくれた。パトリック氏は、その隣人が報酬を受け取らなかったことに驚いたという。
村の人々は、新しい住民を歓迎し、助けたいと思っており、見返りは望んでいないとパトリック氏は言う。せいぜい1杯の赤ワインをいっしょに飲むくらいだ。
パトリック氏はすでに、村に多くの友人がおり、彼らとイタリアの夕食を楽しんでいるという。
またある時、この古い校舎を住める状態にするために必要な最低限のリフォームを行っている最中に、パトリック氏は年代物の宝の山を発見した。
パトリック氏が屋根裏で発見したのは、その家が学校だった時代の記念品だった。高く積まれたほこりまみれの教科書、インク入れ、ガラス瓶、児童名簿など、現在パトリック氏がリビングとして使用している部屋で20人の児童が授業を受けていた時代の品々が数多く残されていた。
また玄関先には、その校舎が建てられた年を示すローマ数字のモザイクがある。パトリック氏は、校舎のタイル張りの床と木で覆われた壁はそのまま使用することにした。
平穏な生活
この村で住宅を購入したいと考えている人へのパトリック氏からのアドバイスは、社会的興奮は期待しないこと、そして、厄介なでこぼこ道への心構えをしておくこと、の2点だ。
村には何もなく、あるのは素晴らしい景色、静寂、きれいな空気、手付かずの環境だけだ、とパトリック氏は言う。バー、スーパーマーケット、店舗、レストランはなく、移動手段として車が必須だ。
パトリック氏が購入した2階建ての校舎には厚い石の壁と高い天井があり、冬に2週間家を空けると家の中が冷え切って、暖めるのに時間がかかるという。また雪が積もると、ドアまでの道の雪かきも重労働だ。
パトリック氏は、配管や暖房設備のアップグレード、配線のし直しなど、校舎の修繕をすべて自分でこなした。