イタリアの中古住宅を格安で購入、英国人男性が味わった苦労と喜び
「恐ろしい」キッチン
パトリック氏がこの家を購入した時、備え付けの家具や設備がいくつかあったが、パトリック氏は、閉校後にそこに住んでいた家族が使用していた「ぞっとするほど恐ろしい」キチネット(簡易キッチン)は処分した。家具については、地元のフリーマーケットを回り、珍しい家具がないか常に目を光らせていたという。
また内壁を覆うマツ材のパネルに対しては、愛憎の念が入り混じっているという。当初は取り外したい衝動に駆られたが、パネルの状態が良く、暖かい雰囲気を醸し出しているため、そのまま付けておくことにした。
修繕をしていない時は、料理をしたり、音楽を聴いているという。パトリック氏の家の窓から音楽が流れてくると、隣人はパトリック氏が町に戻ってきたことに気付き、パーティーが始まる。
この建物は老朽化しておらず、状態は非常に良かったため、修繕費は安く抑えられたが、ここまでの道のりは決して平坦ではなかった。
家の外壁の修繕や塗装のために足場を組む必要があったが、それがかなり「危険な作業」だったという。またバスルームにはトイレしかなかったため、新たにシャワーを取り付ける必要があった。
パトリック氏は「次々と発生する問題に対処しなければならなかった」とし、「英国では必要な道具や材料がどこに売っているか分かっているが、カッレーガでは全く分からない。そこで、作業を始める前にどこに行き、どの店や人を探すべきかを調べる必要がある。計画作りが重要だ」と付け加えた。
またカッレーガは、イタリアの多くの美しい場所と同様に地震が発生しやすい地域にあるため、家に保険をかけるのにも苦労したという。
カッレーガで家の購入を検討している人にパトリック氏が最も伝えたいアドバイスは、家を購入する前に慎重に検討するということだ。
カッレーガには店がないため、食料はカベラという近くの村に買いに行かなくてはならない。カッレーガからカベラまでの距離はおよそ16キロだが、途中にU字型のカーブがいくつもあるため、車で30分以上かかる。
「狭い山道のドライブはとても快適とは言えない。特に道が新雪で覆われている時は恐怖でぞっとする」(パトリック氏)