トランプ大統領の息子が発表した「米国製」スマホ、中国製品に酷似 専門家が指摘
ニューヨーク(CNN) 米国のドナルド・トランプ大統領の一族が経営するトランプ・オーガニゼーションが16日、新しい携帯電話サービスの「トランプ・モバイル」を発表した。同社から発売予定のスマートフォン「T1」は「米国でデザイン・米国で製造」と銘打っている。
T1スマートフォンは大統領の息子のドナルド・トランプ・ジュニア氏とエリック・トランプ氏が発表した。しかしCNNの取材に応じた専門家は、T1の仕様が中国で販売されている中国製のスマートフォンに酷似していると指摘する。
「トランプ一家が誰にも気付かれないまま何年もかけて秘密裏に国内または近海の(製造)拠点を建設したのでない限り、あの約束の実現は不可能だ」。米国内で携帯電話を製造している数少ない企業の一つ、ピュリズムのトッド・ウィーバー最高経営責任者(CEO)はそう語る。
トランプ・モバイルの公式サイトや16日の発表では、T1スマートフォンを「米国製」としていた。しかしその後、保守系メディアの取材に対してエリック氏は「いずれ全てのスマートフォンを米国で製造できるようになる」と発言。CNNは、T1スマートフォンが最初から米国で製造されるのかどうかについて同社に問い合わせている。
T1についてはウィーバー氏も別の専門家も、トランプ・モバイルが公表した本体やバッテリー、カメラ解像度などの仕様に基づき、中国の聞泰科技(ウィングテック)が製造する「Revvl 7 Pro 5G」の別バージョンのようだと指摘した。この製品は米通販サイトのアマゾンで169ドル(約2万4000円)前後で販売されている。
「現実的にこのようなスマートフォンを製造できるODM(相手先ブランドによる設計・生産)は4~5社しかない」「いずれも中国に拠点がある」とアナリストのマックス・ワインバック氏は話している。