「親指の絵文字は同意」、農家に契約不履行で1100万円の支払い命令 カナダ裁判所

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「親指の絵文字」は契約への同意を意味するとの判断をカナダの裁判所が下した/CNN

「親指の絵文字」は契約への同意を意味するとの判断をカナダの裁判所が下した/CNN

ニューヨーク(CNN) カナダの農家がテキストメッセージで送られてきた購入契約書の写真に親指を立てる絵文字で返信したものの、作物を納入しなかった問題を巡る裁判で、カナダの裁判所は8日までに、当事者間で意思の合致があったとして、農家に契約不履行で8万2000ドル(約1100万円)の支払いを命じた。

サスカチュワン州の裁判所の文書によると、有限会社サウスウエスト・ターミナル(SWT)の購買担当者は2021年3月、供給業者に対して1ブッシェル17ドルで亜麻の購入を希望する旨を記したテキストメッセージを送信。納入時期については同年10~12月を希望した。

SWTは農家のクリス・アクター氏らと電話で話した後、アクター氏が1ブッシェル17ドルで計86メートルトンの亜麻を売却し、11月に納入するという内容の契約書の草稿を作成した。

SWTの代理人は契約書に署名した上で、「亜麻の契約を確認してください」とのメッセージを添えた契約書の写真を携帯電話でアクター氏に送信した。

法廷文書によると、これに対しアクター氏は親指を立てる絵文字で応じたという。

しかし、アクター氏が11月に亜麻を納入することはなかった。11月までに亜麻の価格は1ブッシェル41ドルに達していた。

SWTの代理人は法廷文書の中で、アクター氏とは他に少なくとも4回、テキストメッセージで契約を交わしていたと説明。今回の唯一の違いは、アクター氏が「OK」などの文言ではなく、親指を立てる絵文字で返信したことだと述べた。

一方、アクター氏は「親指を立てる絵文字は単に契約書を受け取ったことを確認したもので、契約条件への同意を確認したわけではない」などと主張した。

裁判所の判事は、「少なくとも口頭で」合意が交わされたように見えると指摘。「私の意見では、すべての状況を考慮すると、絵文字は単に契約書を受け取ってこれから検討するという意味ではなく、亜麻に関する契約への同意を表している。すべての背景を知る合理的な観察者であれば、当事者間で意思の合致があったとの客観的な理解に至るだろう」との判断を示した。

判事はアクター氏に対し、8万2000ドル及び利子、亜麻の納入不履行に伴う費用の支払いを命じた。

CNNは両当事者にコメントを求めているが、今のところ回答はない。

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