イーロン・マスク氏が買収のツイッター、全社会議で従業員から質問相次ぐ

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実業家イーロン・マスク氏による買収決定を受けて開催された集会では、従業員からさまざまな質問が出た/Yichuan Cao/Sipa USA/FILE

実業家イーロン・マスク氏による買収決定を受けて開催された集会では、従業員からさまざまな質問が出た/Yichuan Cao/Sipa USA/FILE

ニューヨーク(CNN Business) 米実業家イーロン・マスク氏がツイッター社を買収する見通しとなったことに対し、同社の従業員からは質問が相次いだ。

CNNが入手した音声記録によると、ツイッターの従業員は、パラグ・アグラワル最高経営責任者(CEO)やブレット・テイラー取締役会議長を交えて25日午後に行われた全社会議で、自分たちの報酬への影響からトランプ前大統領の復帰が認められるどうかまで、多岐にわたる質問を投げかけた。

これに先立ちツイッターの取締役会は同日、自社を1株54.20ドル(約7000円)で売却することで合意したと発表していた。これにより、ツイッターの大株主になったマスク氏が取締役就任を打診されたものの断り、今度は同社買収を提案するという驚きの展開(どれも1カ月足らずの間に起きた出来事だ)は決着を迎え、世界一の富豪である同氏が世界有数の影響力を持つSNSを運営することになった。コンテンツ規制の緩和など、マスク氏の提案するツイッター変革案がどのように実施されるのかにも注目が集まっている。

CEOに就任してまだ4カ月のアグラワル氏は従業員に対し、年内に予定される買収完了の前に大きな変化はないものと考えてほしいと説明。また「現時点でレイオフ(一時解雇)の計画はなく」、在宅勤務に関する社の方針は買収完了まで継続するとも述べた。

「クロージングまでの間は当社の原則に基づき、これまで通り意思決定を続けていく」とアグラワル氏は述べ、「だからといって何も変化しないわけではない。私はかねて会社に前向きな変化を起こすと言ってきたし、今後も言い続ける。それが会社をより良く、より強くすることにつながるからだ。ただ、買収完了後は異なる判断が下されるかもしれない」としている。

アグラワル氏はまた、従業員がマスク氏に直接質問する時間を設ける意向を示した。自身もマスク氏と一緒に過ごす時間を持ち、これまでツイッターの意思決定の指針となってきた原則を伝える考えだという。

連邦議会襲撃事件の後、暴力扇動に関する同社の規約に違反したとして昨年永久凍結されたトランプ氏のアカウントが復活するのかという質問に対しては、それはマスク氏に聞くべきだと答え、「買収が完了次第、今後の方向性が判明するだろう」と述べた。

マスク氏による買収が「責任と倫理ある」人工知能や機械学習に注力するツイッターの姿勢にどう影響するかに関しては、「我々はこの分野で業界を引っ張る存在と目されており、最高の人材を集めているが、新しい所有者の価値観はそれとは一致していないように見える」とした。

IT業界をはじめ労働市場で人材獲得競争がすでに激しさを帯びる中、別の従業員からは、マスク氏による買収が従業員の引き留めや退職にどのような影響を与えるかという質問も出た。

アグラワル氏は「いまはまさに不透明な時期だ。この件に関しては皆さん様々な感想や見方を持っている。心配している人が多い一方で、興奮している人もいる」とした上で、「私たちがお互いに力を合わせれば、ツイッターを強力な存在にしている核の部分、つまり顧客の利益のために毎日一丸となって協力するという部分を失う心配はせずに済む」と語った。

その後、アグラワル氏は会社の将来を「楽観視」しているとも述べ、「マスク氏のこれまでの発言からすると、彼はツイッターを強力かつ前向きな力にしようと考えている。そこは我々全員と一緒だ」との見方を示した。

一方、マスク氏は25日の声明で「自由な言論は機能する民主主義の要であり、ツイッターは人類の未来にとって重要な問題が議論されるデジタル広場だ」と指摘。「ツイッターには大きな可能性がある。それを解放するために同社やユーザーのコミュニティーと協力することを楽しみにしている」と言い添えた。

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