ジャック・マー氏はどこに? 中国アリババに当局の圧力、10月以来姿見せず

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上海での会合に参加したマー氏=20年10月24日/Zhao Yun/Oriental Image/Reuters

上海での会合に参加したマー氏=20年10月24日/Zhao Yun/Oriental Image/Reuters

マー氏は2019年にアリババの会長職を退き、現在はアリババでもアントでも取締役は務めていない。しかし今でも最大の個人株主としてアリババ株の約5%(約250億ドル=約2兆5800億円相当)を保有する。

アントは昨年、規制当局に提出した報告書の中で、マー氏は同社に対する「究極的な支配権」を持っていると説明、上場によって同氏の資産はさらに急増する見通しだった。

アリババを引退した後は慈善事業に力を入れ、中国のソーシャルメディア、ウェイボーの10月17日の投稿では、自身が中国の教育フォーラムで行った発言を紹介していた。

しかしマー氏が10月下旬に上海の会議で行った発言が、同氏のビジネスを困った状況に追い込んだのではないかと業界関係者は推測する。この中でマー氏は、中国の規制当局はリスクを嫌いすぎるあまり、革新を阻害していると批判。「リスクなきイノベーションはイノベーションを抹殺する。世界にリスクなきイノベーションは存在しない」と力説した。

数日後、中国の規制当局はマー氏とアントの取締役を呼び出して「聴取」を行い、IPOは中止になった。

マー氏が姿を見せなくなっても、同氏の企業は中国政府に従う姿勢を鮮明にしている。アントは先週、中国政府が同社に対して求める条件を公表したことを受け、規制当局の「指導と助け」を尊重すると述べた。アリババは昨年12月下旬、独禁法違反の調査に対する「積極的な協力」を表明した。

マー氏の事業が脅かされる状況は中国だけにとどまらず、米政権も中国企業に対する強硬姿勢を強めている。

中国国内でのマー氏に対する世論も厳しさを増しており、10月のマー氏の投稿するコメントの多くは、特に批判的な内容だった。

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