英BBC理事長が辞任表明、ジョンソン元首相への融資仲介関与で批判噴出
ロンドン(CNN) 英公共放送BBCのリチャード・シャープ理事長が28日、辞任を表明した。シャープ氏を巡っては、ジョンソン元首相が約100万ドル(約1億3600万円)の融資を受ける際の仲介に関わった事実を公表していなかったことが明らかになり、批判の声が上がっていた。
シャープ氏は公表の不履行について「不注意によるものであり重要ではない」と主張したが、「BBCの利益を優先して」辞任すると述べた。同氏は当初、仲介への関与を否定。利益相反も起きていないとの見解を示していた。
しかし問題を調査した報告書によると、シャープ氏は2021年、融資を確保したいジョンソン氏の仲介者として動いた後、当時首相だったジョンソン氏からBBCの理事長に任命されたという。
元々銀行業界にいたシャープ氏は今年2月、弁護士らに対し「自分が融資の手配をしたわけではない」としつつ、「ある種の紹介窓口」として行動したことを示唆していた。
BBCの英国内の視聴契約料(受信料に相当)は年間159ポンド(約2万7000円)。テレビを所有するか配信番組を視聴する全世帯が支払っている。