民間有人飛行ミッション「Ax―4」打ち上げ、ISSの「空気漏れ」問題は奇妙な展開に

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スペースXのクルードラゴン・エンデバーから見たISS/NASA

スペースXのクルードラゴン・エンデバーから見たISS/NASA

(CNN) 米アクシオム・スペースの有人飛行ミッション「Ax―4」が米東部時間25日午前2時32分、フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられた。このミッションは国際宇宙ステーション(ISS)の懸案となっている空気漏れに関する調査が原因で、大幅な遅れが出ていた。

ISSではここ数年、ステーションの他区画と隔離されているロシアモジュールから空気がゆっくりと漏れ続けている。ところが最近、ISSの運用者は徐々に続いていた空気漏れが止まったことを確認。これを受け、さらに大きな懸念が浮上した。

可能性としては、ロシアモジュールの外壁の亀裂をふさぐ作業がうまくいき、補修作業によって想定通り空気が閉じ込められている可能性もある。だが米航空宇宙局(NASA)によると、技術者の間では、ロシアモジュールの圧力が安定しているのは、内壁に新たな漏出箇所が生じ、他の区画の空気が損傷部に流入し始めたためではないかとの懸念も広がっているという。

要するに、ISSの運用担当者はステーション全体で空気が失われ始めたことを懸念しているのだ。

この問題に関しては不明点も多い。NASAは今月14日の声明で懸念を公表し、問題の特定に取り組む間、米宇宙企業スペースXとアクシオム・スペースが共同で実施する民間ミッション「Ax―4」の打ち上げを延期すると発表した。

NASAの声明では「移送トンネル内の圧力を変化させて経過観測を行うことで、トンネルとハッチシールの状態を評価中だ」と述べていた。

それから1週間以上が経過したものの、調査結果は完全には明らかになっていない。23日夜に25日という新たな打ち上げの日程を公表した後、NASAは24日の声明で、ロスコスモスの当局者と協力して調査に乗り出したと説明した。声明によると、両宇宙機関は移送トンネル内の圧力を下げることで合意し、「チームは今後も評価を続ける」という。

NASAは追加コメントについてはロスコスモスに照会するよう求めたものの、ロスコスモスはメールで送付された質問リストに回答しなかった。

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