家庭でよく使われるプラスチック可塑剤、18年の心疾患死の10%超と関連か 新研究
研究チームは、数十件の集団調査から得た健康・環境データを分析。DEHPの化学分解産物が含まれた尿検体も調査対象になった。トラサンデ氏によると、DEHPは心疾患血管との関連が知られている。
研究チームはこうした曝露データを、世界の医療情報を収集する米研究団体「保健指標評価研究所(IHME)」が集めた死亡統計と比較した。
分析の結果、2018年には全世界の55〜64歳の男女計36万8764人の死亡にDEHPへの曝露が影響していたことが判明。地域別で見ると、アフリカがDEHPとの関連が指摘される心疾患死の30%、東アジアと中東がそれぞれ25%を占めた。
論文の筆頭著者を務めたニューヨーク大学グロスマン医学部の研究員、サラ・ハイマン氏によると、DEHPへの曝露が健康に及ぼす影響を世界規模で推計した研究は初とみられている。