見た目が風変りなカメ、密猟増加で絶滅の危機に 香港

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取材班にオオアタマガメを見せる宋亦希准教授/Noemi Cassanelli/CNN

取材班にオオアタマガメを見せる宋亦希准教授/Noemi Cassanelli/CNN

香港(CNN) 世界有数の人口密集地である香港が、絶滅の危機に直面した野生動物の安全地帯であるとは考えられないかもしれない。

面積およそ1114平方キロメートルの土地には、米ニューヨーク市よりも多くの高層ビルが立ち並び、700万人以上の人々が暮らしている。だが、そのコンクリートジャングルの奥地は、何種類かのカメにとっての最後の砦(とりで)になっている。

専門家によると、これらの種は、アジアの他の地域では漢方薬やペットとして珍重され、絶滅寸前まで捕獲されてきたという。だが香港は、これらの種が生息することが信じ難い環境であったことから、密猟者の目に留まることはほとんどなかった。

少なくとも最近までは。現在、そんな安住の地さえも危機に瀕(ひん)している。専門家によれば、カメの個体数減少によって、密猟者が新たな供給源を求めて捕獲の対象範囲を広げざるを得なくなり、密猟事件が激増しているという。

「香港はアジアでカメを保護する最後の砦の一つ」と嶺南大学の宋亦希准教授は指摘する。宋氏は、10年以上前から香港に生息するカメの個体数を監視しており、その間、個体数は60%から80%減少したと推定している。

今、カメの窮状を公表することが、カメを絶滅から救う最後のチャンスかもしれないと宋氏は信じている。たとえそれが、これまでカメを守ってきた秘密を破ることを意味するとしても。

「以前はカメの個体数、いわゆる潜在的に捕獲可能な数が十分あることを公表したくなかった」と宋氏。「野生のカメについて人々に知ってもらいたいと思う一方、特定の人々が興味を持ち、捕獲することを恐れていた」

だが現在、宋氏と大学の自然保護活動家チームは「今しかない」と考えている。

「状況はこれ以上悪くなりようがないところまで来ている」と宋氏は訴える。

楽園はまもなく失われる?

きらびやかなオフィスビル群やまばゆい光といった、香港を有名にした絵葉書のイメージの向こうには、中国本土との境界のすぐ南に位置する新界の内陸部が広がる。

この地域は亜熱帯の気温で河川に恵まれており、開発もそれほど進んでいないことから、さまざまな種類の淡水ガメが繁殖する環境だと宋氏は指摘する。

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