天の川銀河の中心に巨大ブラックホール、初めて画像で捉える
(CNN) 太陽系のある天の川銀河の中心に位置する巨大なブラックホールの画像が初めて撮影された。
ブラックホールは光を放出しないが、「いて座Aスター」として知られるこのブラックホールを捉えた画像は、ブラックホールの影の周囲に明るい輪が浮かび上がっている。この光は、ブラックホールの重力によって曲げられたもの。天文学者らは「いて座Aスター」について、太陽の400万倍の質量を有するとしている。
地球からの距離は約2万7000光年。太陽系は天の川銀河の腕の一つに位置しているため、中心からはあまりに遠く離れている。地球から夜空を見上げた場合、このブラックホールの見かけの大きさは、月面に置いたドーナツ1個程度になるという。
国際研究プロジェクト「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)」に携わる科学者で、台湾中央研究院天文及天文物理研究所に所属するジョフリー・バウアー氏は声明で、「光の輪の大きさが、アインシュタインの一般相対性理論の予言とよく一致しているのに衝撃を受けた」と述べた。
そのうえで「こうした前例のない観測により、銀河の中心で起きている現象に関する我々の理解は大幅に深まった。またこのような巨大なブラックホールが周囲とどのような相互作用を及ぼすのかについても新たな知見が得られる」と語った。
今回の画期的な発見は12日、米国の天体物理学専門誌「アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ」特集号に掲載された。
天文学者がブラックホールの画像を捉えるのは今回で2度目。2019年には同じくEHTが、地球から5500万光年離れたM87銀河の中心にあるブラックホールの撮影に史上初めて成功していた。