銀河系から届く謎の電波、未知の天体の可能性も

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豪州西オーストラリア州のマーチソン電波天文台にある電波望遠鏡ASKAP=2012年10月5日/Rebecca Le May/EPA/Shutterstock

豪州西オーストラリア州のマーチソン電波天文台にある電波望遠鏡ASKAP=2012年10月5日/Rebecca Le May/EPA/Shutterstock

(CNN) オーストラリアの研究チームが、銀河系の中心からやってくる正体不明の電波信号をとらえたと発表した。そのエネルギー信号は、これまでに確認されたどんな現象とも異なっていて、未確認の天体が存在する可能性もあるとしている。

この研究は、オーストラリアのシドニー大学物理校の研究チームが天文学誌に発表した。「最も変わっているのは、非常に偏光性が高いという特性だった。その光は一方向にしか振動しない。だが方向は時間がたつと入れ替わる」と研究者は解説する。

研究チームは当初、パルサー(高速で自転する密度の高い中性子星)か、大量の太陽フレアを放出する恒星かもしれないと考えた。しかし今回の電波の発信源は、そうした天体の特徴とは一致しなかった。

この物体は、座標にちなんで「ASKAP J173608.2-321635」と命名された。

「この物体の特異性は、最初は目に見えず、それから明るくなって、徐々に消滅し、再び出現する点にある。この挙動は並外れている」(研究者)

今回の現象は、西オーストラリア州のマーチソン電波天文台にある電波望遠鏡ASKAPで発見され、同国東部ニューサウスウェールズ州のパークス電波望遠鏡と、南アフリカのMeerKAT電波望遠鏡を使って観測を続けた。

しかしパークス電波望遠鏡では探知できなかったことから、感度の高いMeerKATを使って数週間ごとに15分間の観測を行った。

「幸いなことに信号は戻ってきた。ところが発信源の挙動は激変していて、発信源は1日で消えた。前回のASKAPの観測では何週間も続いていたのに」(研究者)

この謎は、建設中の世界最大の望遠鏡スクエア・キロメートル・アレイ(SKA)などを使えば解けるかもしれないと研究チームは期待する。

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