まるでヤドカリ、太古の「ペニスワーム」に殻へ隠れる習性 新研究

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ヒオリテスと呼ばれる動物の殻の中で暮らすペニスワームの想像図/Courtesy Prof Zhang Xiguang/Yunnan University

ヒオリテスと呼ばれる動物の殻の中で暮らすペニスワームの想像図/Courtesy Prof Zhang Xiguang/Yunnan University

(CNN) 5億年以上前の太古の海に暮らす蠕虫(ぜんちゅう)状の海産無脊椎(せきつい)動物の一種「鰓曳(えらひき)動物」は、他の動物が持つ殻の中に潜り込み、外敵から身を守っていた。そうした内容の新たな研究がこのほど発表された。

鰓曳動物は男性器に似た形状から「ペニスワーム」とも呼ばれる。今日のヤドカリのような殻に入る習性が確認された最古の事例となる。

ペニスワームがヤドカリのように暮らしていたとする見方は、中国南部の雲南省で見つかったカンブリア紀にさかのぼる化石の分析から明らかになった。化石にはペニスワーム4匹の軟組織のほか、円錐(えんすい)形の殻に由来する物質の痕跡も残っていた。殻は元々ヒオリテスと呼ばれる動物のものだったと考えられる。

「ペニスワームたちは、常にこれら同種の殻の中にすっぽり収まっている。同じ姿勢と同じ向きで。納得できる唯一の説明は、これらの殻がペニスワームの家だったということだけだ。これは実に驚くべきことだ」。英ダラム大学で古生物学を研究するマーティン・スミス准教授は声明でそう指摘する。同氏が共同執筆者を務めた論文は8日、カレント・バイオロジー誌に掲載された。

殻の中に身を隠す習性はもっと後の時代に発達したものと考えられていた。具体的には約1億7000万年前のジュラ紀で、恐竜の時代が始まって久しいころに該当する。

習性自体を化石から類推するのは極めて困難だ。そこで研究者らはまず、ペニスワームが殻の内部、すなわち上部表面と下部表面の間に実質的に収まっているのを確認した。こうした状況は動物の生態が原因で起きているにちがいなく、死んだ後の過程によるものではないと、スミス氏は指摘する。

また当該の堆積(たいせき)層において、殻の中にいないペニスワームの化石は1匹も見つからなかった。殻に入る行動が一時的もしくは偶然の結果だったのであれば、殻から出た状態の化石も見つかることが予想される。

さらに殻の大きさと中にいるペニスワームのサイズが常に適合しているため、ペニスワームの方が自分にぴったりの殻を選んでいたと想定できると、スミス氏は語る。

研究者らは、体長1~2センチだったこれらのペニスワームには凶暴な天敵が多く、殻の中へ避難せざるを得なかったと結論する。

今回の研究結果は少数の化石標本に依拠したものではあるが、この種の避難の習性が存在したという事実により、当時の動物の習性と生態系について「性質上、従来想定されていたよりも現代に近い」とする見方が裏付けられた。

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