ミサイル防衛プロジェクト「ゴールデンドーム」、任期終了までに完成 トランプ氏が発言
(CNN) トランプ米大統領は20日、自身のミサイル防衛プロジェクト「ゴールデンドーム」について、任期終了までに完成するとの見通しを示した。この見積もりは軍の当局者が以前CNNに示した時期とは食い違っている。
トランプ氏は大統領執務室から記者団に対し、「私の任期終了までに運用可能な状態にすべきだ。つまり3年でそうする必要がある」などと述べ、「ゴールデンドームなら、たとえ地球の反対側からミサイルが発射されても迎撃できるだろう」と語った。
トランプ氏によれば、下院共和党に可決を求めている税制法案から250億ドル(約3兆6000億円)を割り当て、プロジェクトの費用を賄う一助とする方針。開発費用の総額は約1750億ドルに達する見込みだという。
トランプ氏の見積もりは、一部の軍当局者が示したものとは食い違っている。マーク・モンゴメリー退役海軍少将は以前、CNNに対し、7~10年で弾道ミサイル防衛システムを開発することは可能かもしれないが、大きな制約を伴い、連邦政府の重要施設や大都市しか防衛できない可能性があるとの見方を示していた。こうしたプロジェクトの総コストを予想するのは事実上不可能との見方もある。
「ゴールデンドーム」とは、イスラエルの「アイアンドーム」に似たミサイル防衛システムの開発を目指す漠然とした計画のリブランディングを図るトランプ政権の試みを指す。
国防総省が予算削減を図る中、トランプ政権は軍の当局者に対し、2026~30年の新たな予算見通しに「ゴールデンドーム」の追加予算を計上するよう要請。ただ、複数の情報筋によると、システムそのものに関して名称以外にはっきりしたことは決まっていないという。