英仏加、イスラエルのガザ侵攻を非難 継続するなら「制裁」
(CNN) イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区で新たな地上侵攻を開始した。これはトランプ米大統領がガザでの停戦や人質の解放に向けた合意をまとめられないまま中東を離れた直後のことだった。
英国、フランス、カナダの首脳は19日、共同声明で、イスラエルが軍事作戦を続行してガザへの支援を阻む場合、「具体的な措置」を取ると警告した。対象を絞った制裁を科す可能性がある。
イスラエル軍によると、作戦名「ギデオンの戦車」の一環として、ガザ北部と南部に部隊が入った。イスラエルは、イスラム組織ハマスがイスラエル側の条件による新たな人質取引に応じなければ作戦を実行すると予告していた。
今回の地上作戦に先立ち、ガザでは激しい空爆が数日間続き、現地保健当局によれば一家全員が犠牲になるケースもあった。
イスラエルは「必要最低限の食料」を搬入すると表明した。イスラエルのネタニヤフ首相は、これは同盟国からの圧力に応じた措置だと示唆した。19日にはイスラエル当局がトラック5台のガザ入りを認めたが、国連のトム・フレッチャー事務次長(人道問題担当)は、物資の搬入は「限定的」であり「焼け石に水だ」と指摘した。
17日にはカタールで、イスラエルとハマスが間接交渉を再開していた。
イスラエルは数週間前から軍事作戦の実施を予告しており、ハマスの壊滅と残る人質の救出というガザでの目的の完全達成を掲げている。イスラエル政府は5日に作戦を承認していた。これまでとは異なり、制圧した地域に軍を常駐させる方針だという。
ネタニヤフ首相は19日、「ガザ全域を掌握する計画だ」と述べた。
ガザ保健当局は19日、過去24時間で少なくとも136人が死亡し、同地区北部で最後に残っていた機能している病院が閉鎖に追い込まれたと発表した。15日以降の死者は400人超、負傷者は1000人以上に上るという。
イスラエルが2023年10月に戦闘を開始して以降、ガザの死者は5万3000人を超えた。当局によれば、犠牲者の大半が女性と子どもだという。