5000年前の人骨からペスト菌、世界最古の犠牲者 感染力は弱かった

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約5000年前に埋葬された男性のあごの骨/Dominik Göldner/BGAEU/Berlin

約5000年前に埋葬された男性のあごの骨/Dominik Göldner/BGAEU/Berlin

検査の結果、20~30歳の男性の人骨からペスト菌が見つかった。

研究者は「最も驚いたのは、ペスト菌の出現を、これまでに発表された研究より2000年も前までさかのぼることができたことだった」「我々は本当にこの病原菌の起源に近づいているようだ」と解説している。

このペスト菌は、約7000年前に出現した系統の一部だった可能性があることが判明。当時の腺ペストは、後に出現する変異株と違って、ノミを介した人への感染はできなかったことも分かった。

つまり、当時の腺ペストは感染力が弱かった可能性がある。このペスト菌が見つかったのは20~30歳の男性の人骨のみで、近くに埋葬されていた人骨からは見つからなかった。このため集団感染の可能性は排除できると研究チームは見ている。

この発見は、かつて個別の症例に限られて感染者も少数にとどまっていたペスト菌が、人類文明や大都市の発展に伴って、中世や現代のような形態へと進化したことをうかがわせる。

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