深宇宙探査、物理学の限界を超えて<1> 人類はどこまで行けるのか
とはいえ、恐らく他にも方法はありそうだ。英ラザフォード・アップルトン研究所(RAL)の科学者らは、宇宙旅行者を保護するための「ある方法」の研究を行っている。彼らは、米国のSFテレビドラマシリーズ「スター・トレック」に登場するシールドからヒントを得た。
その方法とは、地球を保護している磁場の小型版ともいえる小さな磁気圏を作り、宇宙飛行士や宇宙船の部品を保護するというものだ。
「この問題は解決できるはず」と語るのは、英ラザフォード・アップルトン研究所(RAL)で偏向シールドプロジェクトの研究主任を務めるルース・バンフォード氏だ。ただ同氏は、問題は「有人探査では致命的な問題が発生する可能性がある」と指摘する。
バンフォード氏は、次の段階としてこのプロジェクトを宇宙で試したいと考えている。
バンフォード氏は「宇宙船上でテストを行うか、あるいか誰か他の人のテストに便乗する形でもいいので、そのためのいくつかの設計を考案したい。宇宙船に小型のシールドを設置し、スイッチのオン・オフによって放射線が劇的に減少もしくは消滅するのか確認したい」と語る。
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次回「深宇宙探査、物理学の限界を超えて<2> 反物質エンジン」は3月25日公開