クモの糸が導く未来<2> 傷口の治療に効果

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クモの代わりに蚕を使って大量の糸を生産している

クモの代わりに蚕を使って大量の糸を生産している

ただ、クモの糸を大量生産することは不可能だ。糸は麻酔を施したクモから1本1本採取するしかなく、共食いする性質があるため集団飼育もできない。ボールラス氏は代わりに蚕の力を借りた。蚕は大量飼育により年間15万トンの生糸を紡ぐことができ、5000年以上にわたり高級織物の材料に使われてきた。

ただ、蚕の生み出す生糸はクモ糸のような強度を持っていないうえに有毒な粘着物質が含まれており、外科手術には不向きだ。それでもボールラス氏はこれを手がかりに、クモ糸と似たたんぱく質構造を持つ生糸を生み出す野生種の蚕の存在を突き止めた。

この蚕の遺伝子解析を行い、クモの引き糸の構造と比較。有毒物質を取り除いたうえで、強靱(きょうじん)できれいな物質として再構成し「スパイドレックス」と名付けた。

次回は「クモの糸が導く未来<3> 航空機材など新たな分野へ」

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