米国の子ども、「重度の肥満」が増加

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長期で見ると肥満の子どもが増加しているという=JAMA小児科学提供

長期で見ると肥満の子どもが増加しているという=JAMA小児科学提供

(CNN) 米国内の子どもの肥満比率は過去10年以上の長期で見ると上昇傾向にあり、中でも「重度の肥満」に当たるグループが大幅に増加したと、米ノースカロライナ大学らの研究者が8日までに発表した。米国では最近、「子どもの肥満比率が低下に転じた」との研究結果が相次いで報告されたが、長期的には傾向が異なると研究者は指摘する。

ノースカロライナ大学医学部のアシュリー・スキナー准教授らは、米国民健康栄養調査(NHNES)に参加した2~19歳の2万6000人以上のデータを分析し、米医師会が発行する専門誌「JAMA小児科学」に結果を発表した。

1999~2000年の数字と2011~12年の数字を比較すると、肥満の程度が最も重い「クラス3」と判定されたグループの割合は、1%未満から2.1%と2倍以上に増えた。「クラス2」の肥満は5.9%に上っている。肥満は程度によってクラス1~3に分けられ、10歳の男児で身長が平均の137センチなら、体重61キロでクラス3、52キロでクラス2、43キロでクラス1の肥満となる。

スキナー准教授らによると、99年以降、肥満の子どもの割合は1~3の全クラスで上がっているが、特に上昇が目立ったのは小学生の女子と思春期の男子。人種別にみると中南米系と白人の女子、アフリカ系の男子で最も高い割合を示している。

米国の子どもの肥満を巡っては、同じ調査のデータを分析したチームが最近、「未就学児の肥満比率は過去10年間で大幅に低下した」との研究結果を発表していた。これについてスキナー准教授は「比較対象の違い」を指摘する。同チームはNHNESの03~04年のデータと11~12年のデータだけを比較したが、03~04年の肥満比率は前後の年に比べ、飛び抜けて高い値が出ていた。これに対し、スキナー准教授らの研究では99年以降の期間全体を見渡してデータの変化を分析したという。

子ども時代の肥満は大人になっても続くケースが多く、コレステロール値や血圧が高くなったり糖尿病にかかったりする危険性が大きいなど、さまざまな影響が懸念される。

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