モスクワに「トランプ・タワー」建設、昨年1月まで検討
ワシントン(CNN) トランプ米大統領の一族が経営する「トランプ・オーガナイゼーション」が2015~16年、モスクワにトランプ・タワー型の高層ビルの建設を計画し、大統領選へ向けた選挙戦が本格化するまで検討を進めていたことが29日までに分かった。
トランプ氏の顧問弁護士で、当時同社の執行副社長を務めていたマイケル・コーエン氏が明らかにした。
同氏によれば、建設計画の検討は15年9月から16年1月末まで続いていた。選挙戦とは無関係だったとしているが、ロシアとのビジネス上のかかわりを否定してきたトランプ氏の主張とは矛盾する。
コーエン氏は28日に出した声明文書の中で、タワーの構想は同社がいったん検討しながら却下した多くの建設計画のひとつにすぎないと説明。当初の提案や最終的な計画断念はともにもっぱらビジネス上の決断だったと強調した。
同氏はCNNとのインタビューで、ロシアのペスコフ大統領報道官にメールを送ったことがあると認めた。建設にはロシア政府の許可が必要と聞いて接触を試みたが、返信はなかったという。
同氏によれば、トランプ氏とはこの計画をめぐり、3回にわたって短いやり取りがあった。1回目に検討が進んでいることを伝え、2回目は趣意書への署名のため、3回目は検討打ち切りを知らせるためだった。
米紙ワシントン・ポストによると、計画を持ち掛けたのはロシア出身の不動産開発業者、フェリックス・セーター氏。トランプ氏本人がモスクワへ出向けばプーチン大統領に取り次ぐことができるとも示唆したとされる。
トランプ氏は選挙期間中の発言でプーチン氏に好意的な姿勢を示していたが、この計画をどの程度把握していたかは明らかでない。