米国に女性CEOが少ない理由とは

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「専業主夫」の増加を受け、女性が子育ての中心的役割を果たすという従来の風潮も変化しつつあるようだ

「専業主夫」の増加を受け、女性が子育ての中心的役割を果たすという従来の風潮も変化しつつあるようだ

性の多様性は利益をもたらす

より多くの女性を企業のトップに起用する動きは、単に女性の権利を守るためだけではない。Cスイートに性の多様性を持ち込むことの最大の効用は、利益の向上だ。

カタリストが2011年にフォーチュン500社の決算を分析したところ、女性取締役が多い企業の業績が、女性取締役のいない企業の業績を大幅に上回った。

つまり、多様な経験・経歴を持つリーダーを抱える企業は、経済的成功を収める可能性が高いということだ。その主な要因としては、女性が企業に男性とは異なるスキルをもたらすことで、リスクテークや女性の消費者に訴えかける戦略といった事柄について、より思慮に富んだ慎重な対応が可能になることが挙げられる。

前出のウィルダロッター氏は「(女性は)同時に複数の仕事をこなすことに長け、対人関係で第六感が働く。また人材育成もうまく、サービス志向だ」と指摘する。

「専業主夫」が流れを変える

しかし、上級管理職の要求レベルは高いため、家庭を持ちたいと考える女性の多くは、上級管理職への夢をあきらめざるを得ない。

「従来、そして当面は、CEOになるということは、すべてを仕事に捧げることを意味する。つまり、仕事が人生そのものになる」と語るのは、ペンシルベニア大学ウォートン校のワーク・ライフ・インテグレーション・プロジェクトのディレクターを務めるスチュワート・フリードマン氏だ。

たしかに、今も子育ての第一義的責任を担っているのは女性だが、その流れは変わりつつある。フリードマン氏の調査によると、ウォートン・ビジネススクールの2012年の卒業生のうち子どもが欲しいと答えたのは42%で、1992年の約80%から大幅に減少した。

その一方で、妻のキャリアを犠牲にしても、家計はすべて自分が働いて支えると考えている男性は減少しているという。

「『専業主夫』の増加によって、仕事に全力を注げる女性が増えている」(フリードマン氏)

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