(CNN) レンジャーの自撮り写真に写り込んだ姿で世界中の話題をさらったマウンテンゴリラ「ンダカシ」が、病気のために息を引き取った。14歳だった。アフリカ中部コンゴ民主共和国(旧ザイール)のビルンガ国立公園が発表した。
ビルンガ国立公園の5日の発表によると、ンダカシは9月26日、飼育係で生涯の友人だったアンドレ・バウマさんの腕に抱かれて息を引き取った。
ンダカシは2007年、死んだ母親にしがみついていたところをレンジャーに発見された。当時まだ生後2カ月で、野生に戻すのは難しいと判断され、同公園内の施設で保護。以来ずっと同施設で愛されて暮らし、バウマさんが世話をし続けてきた。
「これほど愛すべき生き物を支え、世話することができて幸運だった。とりわけンダカシは幼いころに心の傷を負っていた。ンダカシの優しい性格と知性のおかげで、人と大型類人猿との関係について理解を深めることができ、その保護のために私たちが全力を尽くすべき理由が分かった」。バウマさんは談話でそう振り返った。
「ンダカシを友達と呼べることを誇りに思う。私は子どものように彼女を愛し、その明るい性格は、一緒にいるといつも私を笑顔にさせてくれた」
テレビ番組や映画にも出演したンダカシだが、世界的に有名になったのは19年に撮影された写真だった。ンダカシはもう1頭のメスのゴリラ「ンデゼ」と一緒に、両足で立った姿でポーズを取り、レンジャーの自撮り写真に収まっていた。
同公園によると、ンダカシが生まれた07年、マウンテンゴリラは深刻な絶滅の危機にさらされていた。当時は武装集団によるゴリラの集団虐殺が相次いでおり、ンダカシの母親も撃たれて死んだ。