アトランタ(CNN) 米国各地の空港で保安検査を待つ長い列が不評を買うなか、米運輸保安庁(TSA)が待ち時間の短縮を目指し、アトランタ国際空港に新たな検査レーンを試験導入した。
同空港は世界で最も利用者が多い空港として知られる。その一画に24日、新たなレーンが設置された。
保安検査でいらだちを感じるのは、ひとつの不審な荷物のせいで列全体が止まってしまったり、前の人が靴を脱ぐ間に待たされたりする時だろう。こうした場面をなくすのが、改良の狙いだ。
まず、不審な荷物の入ったトレーは自動的に別のコンベアーに振り分けられ、レーンが停止しない仕組みになっている。
トレーは探知機を通過した後、職員が回収しなくても済むよう自動的に回転する。
また、レーンには乗客が自分のペースで靴を脱げるエリアを設け、列が速く進むようにした。
TSAの元幹部によると、こうしたアイデアは何年も前から内部で検討されていた。同幹部は「改良の結果としてどれだけの時間が短縮されるかはまだ不明だが、最も大きな効果が期待されるのは不審物を別ルートに乗せる仕組みだ」と語った。
またTSAのネッフェンジャー長官が24日、米紙USAトゥデーに語ったところによると、TSAは来月半ばまでに、国内の主要空港での検査待ちの時間について、専用アプリ上でほぼリアルタイムの情報発信を開始する。これまで同アプリに表示される待ち時間は利用者が投稿していたため、正確さに疑問が残ることがあった。
TSAによると、ロンドンのヒースロー空港やアムステルダムのスキポール空港ではすでに似たような検査システムが採用されている。アトランタでは既存のレーンと並べて新たなレーンを試し、データを収集、分析する方針だ。
TSAの報道官によれば、長い列はすぐには解消されないかもしれないが、5年後あたりをめどに改良を進めていくという。