ムーディーズ、米格付けを最高位から格下げ
(CNN) 米格付け会社ムーディーズは16日、米国債の格付けを最高位の「AAA」から1段階格下げした。主要格付け機関の中で最後まで最高格付けを維持していた同社が格下げに踏み切ったことで金融市場は動揺し、金利を押し上げる可能性がある。
既に関税とインフレに苦しむ米国に対し、新たな財政負担が生じかねない事態ともなっている。
ムーディーズによる現在の格付けは「Aa1」で、主要格付け機関のフィッチ・レーティングスやS&Pに並んだ。両社はそれぞれ2023年、21年に米国債の格付けを引き下げていた。
ムーディーズは声明を出し、格下げの判断に影響を与えた要因として、10年以上に及ぶ財政赤字の増加と利払い率の上昇を挙げた。いずれも他の高格付け国を著しく上回る水準に達しているという。その上で、今後も借り入れは増加を余儀なくされ、米国経済全体の重荷になるとの予測を示した。
財務省の報道官は、現時点でCNNのコメント要請に応じていない。
ムーディーズによれば、当面の間米国債が再度の格下げに見舞われる危険はない。同社の米国に対する見通しは「安定的」で、これは「歴史的に極めて効果的な金融政策が独立した連邦準備制度理事会(FRB)主導で行われてきた」ことが理由の一端となっている。
ただトランプ大統領は最近、FRBの独立性の尊重に疑問を呈し、パウエル議長を解任するとの脅しも口にしている。