オーストリアの高校銃撃、死者10人に 国内に衝撃広がる
オーストリアの高校で銃撃、死傷者も
(CNN) オーストリアの都市グラーツにある高校で10日、銃乱射事件が発生し、10代の若者を含む10人が死亡した。同国史上最も被害の大きい凶悪事件の一つとなった。
オーストリア警察と病院関係者が確認し、死者数は当初発表されていた9人から増加した。内務省はCNNに対し、犠牲者には14歳から18歳の子どもも含まれていると述べた。
事件は現地時間午前10時前後、同市北西部の高校で発生。「複数回」の銃撃があったとの通報を受け、現場には複数の車両と警察のヘリコプターが派遣された。警察のSNS投稿によると、学校の関係者は避難し、周辺は安全が確保された。後の警察の声明によれば、現場には特殊部隊も派遣された。
カーナー内相は記者会見で、犠牲者は女性6人、男性3人だと述べていた。また12人の学生が負傷し、そのうち数人は重傷だと付け加えた。グラーツ大学病院はその後、重傷を負った成人1人が10日夜に死亡したと発表した。
当局が記者会見で明らかにしたところによると、容疑者は21歳のオーストリア人の男。現場の高校には以前通っていたものの卒業はしていなかった。ショットガンと拳銃の2丁の武器を使って連続殺人を実行した後、トイレで自殺したという。
容疑者は単独で犯行に及んだとみられる。当局は銃撃犯の動機を明らかにしていない。警察は、容疑者が使用した武器は合法的に入手したものとみている。武器は現場で押収され、鑑識検査が行われている。警察は、事件の状況を調べるため、引き続き事情聴取を行っていると付け加えた。
銃撃事件を受け、オーストリア全土に衝撃や疑念が広がっている。シュトッカー首相は3日間の服喪を宣言し、X(旧ツイッター)に「この痛みと悲しみを言葉で表すことはできない」と書き込んだ。