仮想通貨誘拐事件の首謀者か、モロッコで男の身柄を拘束
(CNN) 仮想通貨取引に関わる人物を狙ったフランスでの一連の暴力的な誘拐事件の首謀者とみられる男が3日、モロッコで身柄を拘束された。フランスのダルマナン法相が明らかにした。
拘束されたバディス・モハメド・アミド・バジュ容疑者(24)はパリ近郊出身のフランスとモロッコの二重国籍で、銃器を用いた恐喝や集団による誘拐など複数の容疑で国際刑事警察機構(ICPO)が発した「赤手配」に基づき指名手配されていた。
ダルマナン法相はX(旧ツイッター)に「両国間の優れた司法協力」に感謝すると投稿した。
モロッコ国営通信によると、バジュ容疑者の所持品からは大小さまざまな刃物や、数十台の携帯電話や通信機器、犯罪に関連しているとみられる現金が押収された。
CNN提携局BFMTVによれば、容疑者は今年1月21日以降続く仮想通貨関連の一連の暴力事件に関与した疑いが持たれている。
今年1月には暗号通貨ウォレット企業レジャーの共同創業者ダビッド・バラン氏が妻と共にフランス中部の自宅から誘拐された。襲撃犯は身代金1000万ユーロ(約16億円)を要求する際、バラン氏の指を1本切断した。バラン氏らは後にフランス警察によって救出された。
バジュ容疑者はさらに、5月に起きた仮想通貨業界関係者の誘拐事件でも関与した疑いが持たれている。BFMTVが伝えた。
5月には、「ペイミウム」の最高経営責任者(CEO)の娘がパリ市内で昼間に拉致されそうになった。通行人によって阻止されたこの事案でもバジュ容疑者の関与が疑われている。