Arts

マクロン氏のろう人形が美術館から盗まれる、ロシアへの抗議活動で パリ

マクロン仏大統領のろう人形を使い抗議を行う活動家

マクロン仏大統領のろう人形を使い抗議を行う活動家/Benoit Tessier/Reuters

(CNN) 環境NGO「グリーンピース」の活動家は2日、美術館から持ち出したエマニュエル・マクロン仏大統領のろう人形を在パリ・ロシア大使館の外に設置し、両国の継続的なビジネスとマクロン氏の気候変動政策に抗議した。

グリーンピースの声明によれば、活動家が現地時間2日午前10時半ごろ、パリ中心部にある「グレバン美術館」からマクロン氏の人形を「借りた」という。同美術館は200人以上の著名人のろう人形を所蔵する。

「マクロン氏には、ロシアとフランスとの契約を終了し、欧州全土で野心的かつ持続可能な環境保護に向けた転換を開始するまで、この世界的に有名な文化施設に展示される資格はない」(グリーンピース)

活動家は人形をパリ西部にあるロシア大使館に運び、ガスや原子力、化学肥料といった分野でのロシア政府との貿易継続を非難する横断幕の前に設置した。

ある人物は、マクロン氏が笑顔で手をたたいている人形の後ろで、「ビジネスはビジネスだ」と書かれたプラカードを掲げた。別の横断幕には「ウクライナは燃えている、ビジネスは続く」と書かれていた。

欧州各国はロシア産の燃料への依存を終わらせると約束しているにもかかわらず、液化天然ガス(LNG)などの製品の輸入を止めるのに苦慮している。

グレバン美術館に展示されているマクロン大統領のろう人形/Thomas Coex/AFP/Getty Images
グレバン美術館に展示されているマクロン大統領のろう人形/Thomas Coex/AFP/Getty Images

エネルギー・クリーンエア研究センター(CREA)の調査によれば、フランスは1月のLNG輸入額が計3億7700万ユーロ(約617億円)で、欧州連合(EU)加盟国の中でロシアの化石燃料の最大の輸入国となった。

グリーンピースはまた、ロシア国営企業「ロスアトム」が関与する核燃料の輸入契約の継続を批判した。

グリーンピース・フランスのエネルギー転換キャンペーン担当のロジャー・スパウツ氏は声明で、「エマニュエル・マクロン氏は原子力の復興を断念すべきだ。この道を歩み続けることは、ロシアのような敵対的な政権への危険な依存を維持し、犯罪国家の産業に資金を供給し続けることを意味する」と述べた。

運び出されるマクロン大統領のろう人形/ Emma da Silva/AFP/Getty Images
運び出されるマクロン大統領のろう人形/ Emma da Silva/AFP/Getty Images

「ウラジーミル・プーチン氏のウラン政策では、主権もエネルギー転換も和平も実現が不可能だ。この二重基準に終止符を打ち、原子力発電を終わらせるときが来た」

グリーンピースは声明で、「マクロン氏の二枚舌は、ウクライナへの強い支持を公に表明しているにもかかわらず、ロシアとの貿易を終わらせるために十分なことをしていない」と批判した。

「このあいまいな姿勢は、国際舞台におけるフランスの信頼を弱め、ロシア政府の軍資金を増大させる」

CNNはグリーンピースに連絡し、人形が現在どこにあるのかや、美術館に返還されるかどうかについて詳細を尋ねた。

グレバン美術館と仏大統領府にもコメントを求めた。

注目ニュース

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]