クルド人武装組織PKKが解散宣言、長年にわたる武装闘争に幕
(CNN) トルコからの分離独立をめざして武装闘争を続けるクルド人の非合法組織「クルディスタン労働者党」(PKK)が12日、解散を宣言した。PKKとトルコとの長年の闘争で、数万人の死者が出ていた。
PKKは声明で、組織の名前で行われていた「全ての活動」が終了したと発表した。
PKKは、クルドの問題は「民主的な政治を通じて解決できる段階に達した」と述べた。組織解体の手続きは、収監中の指導者アブドラ・オジャラン氏が主導するという。
声明では、今回の決定がイラクやシリア、イランのPKK関連組織全てに適用されるかどうかは明らかになっていない。武装解除がどのように行われるのかや、既存の戦闘員がどうなるのかについても説明はなかった。
PKKは「トルコとクルド人の関係の再構築は避けられない」とし、今回の決定には「中東地域の現状」も影響していると明らかにした。
PKKはまた、トルコのエルドアン大統領の政府や全ての政党に対して、責任を持って和平と民主的な社会の手続きに参加するよう呼び掛けた。
トルコ大統領府は同日、PKKの決定について、エルドアン氏の下でのテロのないトルコに向けた取り組みが力をつけて重要な段階に達したこと示していると指摘した。PKK解散を進めるために必要なあらゆる措置を講じるとしている。
PKKはオジャラン氏が1978年に設立した。それ以降、約50年にわたって、トルコと闘争を繰り広げた。戦闘の多くはトルコ南東部で発生し、PKKは同地域に独立したクルド人国家を樹立することを目指していた。PKKは近年、トルコ国内での自治権の拡大を訴えている。
少数民族の人権団体によれば、クルド人はトルコ国内では最大の少数民族で、人口の15~20%を占める。クルド人はまた、シリア北部やイラク北部、イランでも存在感を示している。