米イスラエルがガザへの支援再開で協議、数日内に発表も 飢饉の危機迫る
エルサレム(CNN) 米国とイスラエルの当局者が、イスラム組織ハマスを迂回(うかい)してパレスチナ自治区ガザ地区へ人道支援物資を届ける新たな仕組みについて協議している。協議内容を知るイスラエルの情報筋と米国務省高官が明らかにした。高官は、この仕組みについて、数日内にも発表できる可能性があると述べた。
イスラエルがガザへの支援物資搬入を封鎖してから3カ月近くが経過している。トランプ米大統領は先月、イスラエルのネタニヤフ首相との電話会談で「ガザに良くすべきだ」と伝えていた。
米国務省報道官によると、考案中の仕組みでは、支援物資がハマスや武装組織「イスラム聖戦」に流用されないような措置を講じたうえで、物資を住民に届ける。匿名の民間財団が支援物資を管理する。
報道官は、「安全策がようやく整った」とし、イスラエルの安全は確保され、ハマスには物資が届かず、ガザの人々は必要な支援を得られると説明し、トランプ氏の「ガザ支援」の関与を実現するものだと語った。詳細は示さなかったが、国連や国際的な支援団体が枠組みに協力し、物資がハマスなどに渡らないようにするという。

食べ物を乗せたトレーを運ぶ子ども=4月、パレスチナ自治区ガザ地区ガザ市/Jehad Alshrafi/AP
米ネットメディア「アクシオス」が、米国とイスラエル、財団が支援再開へ向けて大筋で合意に近づいていると匿名の情報筋の話として報じていた。CNNの取材に応じたイスラエルの情報筋は、合意が間近かどうかは言えないと述べるにとどめた。
イスラエルは2カ月以上にわたり、ガザへの人道支援と商業物資の搬入を一切拒否しており、これほど長期にわたる全面封鎖は初めて。イスラエル側は、封鎖はハマスに拉致された人質の解放を促す圧力だと主張するが、国際機関は国際法違反だとして批判し、飢餓を兵器化していると非難している。