世界の軍事支出、冷戦後で最大の伸び 国際平和研報告

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米国は、ステルス戦闘機F35に関連して600億ドル以上の軍事費を支出している/Clement Mahoudeau/AFP/Getty Images

米国は、ステルス戦闘機F35に関連して600億ドル以上の軍事費を支出している/Clement Mahoudeau/AFP/Getty Images

ソウル(CNN) ウクライナやパレスチナ自治区ガザ地区で大規模な戦争が続き、欧州からアジアにかけて軍事的緊張が高まるなか、世界は冷戦末期以来最速のペースで軍備を拡大している。スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)がまとめた報告書で明らかになった。

報告書によると、2024年の世界の軍事支出は前年比9.4%増の2兆7180億ドル(約390兆円)となり、ベルリンの壁が崩壊した前年の1988年以降で最大の伸び率となった。

報告書は「多くの国が軍事費の継続的な増額を約束しており、今後も世界の軍備拡大は続く」と警告している。

最大の軍事支出国は依然として米国で、2024年は1兆ドル近くを計上した。内訳は、ステルス戦闘機F35とその戦闘システムに611億ドル、新造艦に481億ドルなど。

2位は中国で推計3140億ドル。報告書によれば、中国は24年に新型ステルス戦闘機や無人航空機(UAV)、無人潜水艇など「改良された能力」を相次いで公開したほか、核戦力の急速な拡大も続けた。

米中両国で世界全体の軍事支出のほぼ半分を占める。

地域紛争に直接関わる、あるいは警戒する国々で増加率が際立った。イスラエルの軍事費は23年のパレスチナ自治区ガザ地区への侵攻を受け、65%増した。22年にウクライナへ侵攻したロシアは少なくとも38%の増加だが、他の財源などを加味すると実際はさらに多い可能性があるという。

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