小林製薬の紅麹サプリ、健康被害相次ぎ自主回収命令

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小林製薬の年次株主総会の様子/Kyodo/AP

小林製薬の年次株主総会の様子/Kyodo/AP

東京(CNN) 小林製薬が手掛ける紅麹(こうじ)原料を含むサプリメントが原因とみられる健康被害が相次いでいる問題で、同社が本社を置く大阪市は27日、厚生労働省からの通知を受けて関連商品の自主回収を命じる行政処分を出した。これまでこの製品を摂取した4人が死亡、100人以上が入院している。

回収命令の対象となったのは「紅麹コレステヘルプ」、「ナイシヘルプ+コレステロール」、「ナットウキナーゼさらさら粒GOLD」の3つの製品。全てに紅麹が含まれている。紅麹は血中コレステロール値を抑えるなどの効果があるとされ、古くから食品などに用いられてきた。しかし科学者らは、発酵の過程で危険な水準のシトリニンがつくられる恐れがあると指摘する。シトリニンには毒性があり、腎機能障害を引き起こす。

CNNが28日に電話で取材したところ、小林製薬の広報担当者は死亡した4人全員が「紅麹コレステヘルプ」 を摂取した後腎臓に症状を抱えていたと明らかにした。このうち2人は製品が発売された2021年から、1人は22年初めから定期的に摂取していたという。

広報担当者は上記の3つの製品について、22日に自主回収を開始したと述べた。その数日後、同社は死亡例と関係する疑いがあることを明らかにした。現時点で摂取と死亡の因果関係は不明。

初期段階の調査では、製造過程で使用された一部の原料の中から「意図しない物質」が検出されたと、広報担当者は述べた。

小林製薬のウェブサイトによれば、同社の紅麹製品はシトリニンを合成する遺伝子がない紅麹菌の株を使用している。

広報担当者は、現在複数の大学に対して独立した分析の実施を委託していると説明した。対象となるのは昨年4~10月に製造された製品で、出荷時期は4~12月だという。

今年2月に実施した検査では、有毒物質は一切検出されなかったと広報担当者は述べた。

同社は先週、謝罪の声明を出し、調査を継続する意向を示した。

影響は日本のサプリメントの人気が高いアジア地域にも広がっている。

小林製薬は中国のソーシャルメディアに警告文を投稿した。当該の3製品は中国本土で販売されていないが、消費者はオンラインや来日を通じてこれらを購入する可能性がある。その場合は製品を返品するよう呼び掛けた。

台湾やシンガポールでも、当局が紅麹を使用した製品の輸入停止や回収を命じている。

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