イスラエルの地上作戦続く、部隊の動きについて分かっていること

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地上侵攻したイスラエル軍の動きについて分かっていることをまとめた/Jack Guez/AFP/Getty Images

地上侵攻したイスラエル軍の動きについて分かっていることをまとめた/Jack Guez/AFP/Getty Images

(CNN) イスラエルは10月27日、パレスチナ自治区ガザ地区での全面地上作戦を開始し、戦車やブルドーザー、歩兵、戦闘工兵部隊を進入させた。

しかし、イスラエル軍は直ちにガザ市へ進軍するのではなく、ゆっくりとしたペースでガザ地区最大の人口を擁する同市に迫っている様子だ。

オープンソースや公式の情報源から得られた動画や写真、そして現地のCNN取材班の報道を基に判断すると、イスラエル軍は主に3カ所からガザ地区との境界を越えたものとみられる。

1カ所目はガザ地区の北西端だ。イスラエル国防軍(IDF)が28日午前に公開した動画には、ブルドーザーが海岸付近の砂をかき分けて進む様子が映っている。境界フェンスにはイスラエル軍の車両が通過したとみられる穴がはっきりと見える。

ただ、このさらに南の海岸地帯にイスラエル軍が進出している証拠もある。29日には、リゾートホテルの屋上で旗を振るイスラエル兵の動画が拡散。CNNの分析により、撮影場所は境界フェンスの約3.2キロ南に位置するアタトラと特定された。


イスラエル軍が31日に公開した写真には、兵士たちがさらに南方、アルシャティ難民キャンプのすぐ北側に展開する様子が捉えられている。ガザ市中心部まで4.8キロほどの距離に迫っていることになる。

動画や人工衛星画像によれば、2カ所目の進入地点とみられるのはガザ地区北東端のベイトハヌン付近。イスラエル軍が配布してCNNが位置情報を確認した動画には、兵士数十人が徒歩で砂地を進む様子が映っており、別の動画にはブルドーザーが砂道から即席爆発装置(IED)を除去する様子も見える。

これらの動画に映る人けの無い建物は、地上作戦前に行われたイスラエルの空爆や砲撃で大きく損傷している。民間人やハマス戦闘員の姿は見えず、イスラエル軍の到着前に避難もしくは退却したことがうかがえる。ただ、境界のイスラエル側に1.6キロほど入った場所にいるCNNの取材班は、散発的な機関銃の音が聞こえたと報道。31日午前にも同じ方角から複数の爆発音が聞こえたと報じている。

最後に、30日に浮上した別の動画からは、東部の境界沿いに約16キロ南下した場所が3カ所目の進入地点になった可能性がうかがえる。動画はパレスチナ人ジャーナリストのユシフ・サイフィ氏が撮影したもので、イスラエル軍の戦車がサラアルディン通りの自動車を攻撃する様子が映っている。サラアルディン通りはガザ地区を全域に伸びる幹線道路。

CNNはこの動画の撮影場所を、ネツァリム交差点の南方と特定した。ネツァリムの名はかつて存在したイスラエルの入植地に由来しており、イスラエルがガザを南北に分断する考えなのであれば、この場所を押さえるべき戦略的要衝とみなしている可能性が高い。

ネツァリム交差点はガザ市近郊に位置しており、ワディ・ガザと呼ばれる水路に近い。イスラエルはガザ住民に対し、ワディ・ガザの南へ移動してイスラエルの攻撃からの安全を確保するよう呼び掛けている。

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