中国政府のスローガン、ロンドンのストリートアート街に突如出現 抗議も落書きで対抗

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壁にスプレーをする人。ジョージ・オーウェルの「動物農場」の引用文が書かれた/James Wendlinger/Getty Images

壁にスプレーをする人。ジョージ・オーウェルの「動物農場」の引用文が書かれた/James Wendlinger/Getty Images

ロンドン(CNN) 英ロンドン東部のストリートアート街として有名なブリックレーンが、中国政府の統制に対する抗議の場と化している。発端は、もともとあった落書きアートを塗りつぶす形で、中国共産党の理念を宣伝するスローガンが書き込まれたことだった。

スローガンは週末にかけて若い中国人アーティストのグループが赤いスプレー塗料で描いたもので、中国共産党の「社会主義核心的価値観」を表す「民主」「文明」「自由」「平等」などの漢字24文字で構成されていた。

中国の習近平(シーチンピン)国家主席が推進するこのスローガンは、中国全土でポスターや看板に表示され、国営テレビにも頻繁に登場する。

しかしこのスローガンが突如としてブリックレーンに現れたことや、死亡したストリートアーティストを追悼する作品も含めてもともとあったアートが塗りつぶされたことで、ショックを受けた地元アーティストが怒りを募らせ、習政権を批判して英国で暮らす中国人からも反発の声が上がった。SNSでも大きな注目を集め、論議の的になった。

中国のSNSには、若い中国人アーティストが表現の自由を行使したとして支持を表明し、中国の文化と価値観の「輸出」を賞賛するコメントが書き込まれた。一方で、同地のストリートアートを破壊して中国共産党のプロパガンダを宣伝したとして批判する声もあった。

ロンドンのイーストエンド地区にあるブリックレーンは、カレー店が立ち並ぶ華やかなアート街として知られており、即座に反発が巻き起こった。

6日までに、中国共産党のスローガンの上には習主席や中国共産党を批判する内容の落書きが塗り重ねられた。

「平等」の文字の上には、ジョージ・オーウェルの小説「動物農場」の一節を引用して「だが一部は他よりももっと平等である」と書き込まれた。「民主」「自由」の文字の前には「no」の文字が添えられた。

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