ダリエン地峡越える人々の数、過去最多に パナマ当局発表
(CNN) 南米と中米をつなぐ山がちな地域に位置する危険なダリエン地峡を越えた移民の数が、過去最多を更新したことが2日までに分かった。パナマの移民当局が明らかにした。
パナマ移民当局の幹部、マリア・イザベル・サラビア氏はメディアに対し、同地峡を越えた移民の数について、昨年1年間の人数を7月31日に上回ったと説明した。
同氏によれば昨年は「前代未聞の年」であり、合計で24万8284人がダリエン国立公園を通過した。今年は7月30日、31日の両日で1869人が地峡を越えており、年初来の累計は24万8901人になったという。
危険な地峡越えを行う人々の2割前後は子どもや若者だとされる。
そのうち少なくとも51%は5歳以下の幼児だと、サラビア氏は付け加えた。
同氏によると、ダリエン地峡を越える人々の内訳は、ベネズエラ人とハイチ人が大半を占める。以下コロンビア人、エクアドル人、南米大陸以外の移民と続く。
60キロのダリエン地峡を越えて、移民たちはコロンビアからパナマへ移動する。米国やカナダへの到達を目指す人々にとって、ここは重要な通過点となる。
西半球全域で起きる大規模な人の移動により、北米を目指す人々の増加にも拍車がかかっている。
米国ではトランプ前政権の下、新型コロナウイルス感染対策として導入されていた不法移民の即時送還措置が5月11日に失効。これに伴い、当局は越境者が急増する事態に警鐘を鳴らした。それでも不法入国を厳罰化する一方、合法的な入国経路・手続きを拡大したことにより、5月11日以降の南部国境からの不法入国は70%以上減少したと、国土安全保障省は6月の報道向け発表で明らかにしていた。
こうした抑止効果が今後も持続するのかどうかは不透明だ。人権活動家らは母国での危険から逃れてきた移民たちについて、現在メキシコで不安定な状態に置かれながら亡命を申請するのを待っていると指摘する。
加えて、一段と危険な経路から米国入りを目指さざるを得ない人々もいるという。6月には、テキサス州で数十人の移民が小型トラックの中で死亡しているのが見つかった。