ANALYSIS

曖昧さに包まれたウクライナ軍の反転攻勢、これも計画通りか

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ドネツク州のソレダル近郊の前線で、ロシア軍に向かって榴弾砲を発射するウクライナ軍/Sofiia Gatilova/Reuters

ドネツク州のソレダル近郊の前線で、ロシア軍に向かって榴弾砲を発射するウクライナ軍/Sofiia Gatilova/Reuters

ウクライナ・ザポリージャ(CNN) 5週間にわたってウクライナ南部の前線から戦況を報告しているうちに、ウクライナ軍による反転攻勢がまだ始まっていないと考えるのが困難になった。少なくとも限定的な、準備段階での反攻は、4月下旬に始まっていたのではないかと思える。

ロシア軍の標的に対する容赦のないピンポイント爆撃。小規模のウクライナ軍部隊が敵に占領されたドニプロ川東岸に上陸したことを示唆する複数の兆候。そして燃料貯蔵庫や各種インフラで起きる爆発。それらは国境のロシア側や同国の占領した都市で発生していた。こうした事象は全て、反転攻勢が始まった合図と見なし得るものだ。

この他にも、ヘリコプター攻撃がロシア人の標的に対して行われている。占領地の当局者が絶えず発する警告からは、ウクライナ軍がザポリージャ州の前線で探りを入れる攻撃を遂行しているのがうかがえる。民間人が占領地域から避難してもいる。

複数の兆候がこの1カ月間で集まった。米軍の高官も先週、CNNの取材に対し、反攻の準備段階に当たる「形成」作戦をウクライナ軍が開始したと述べていた。それでも公式には、ウクライナによる反転攻勢はまだ始まっていない。

米国と北大西洋条約機構(NATO)がこの作戦にどれだけの装備と助言、訓練を提供しているかを考えれば、ここで反攻開始の宣言を遅らせているのは戦術とみるのが妥当だろう。ウクライナ軍の混乱や無秩序の産物でもなければ、比較的雨の多い4月の気候によって地面がぬかるんでいるからでもない。

開始の発表は全面的にゼレンスキー大統領の裁量の範囲内だ。作戦遂行を宣言すれば、時計は直ちに最初の戦果に向けて動き出す。まだ始まっていないと言えば、ロシアがどれだけの損害を被ろうと、それは普段から前線で繰り広げられている消耗戦の攻防によるものでしかなくなる。過去1カ月、ゼレンスキー氏は不明瞭なコメントを口にしてきた。作戦の「重要な第一歩」が「間もなく起こるだろう」、あるいは「もう少し時間が必要だ」といったその発言は、開始を宣言することはないというウクライナ政府の当初の約束をなぞったものに過ぎなかった。

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