スーダンに初の赤十字支援 外国人数千人が国外退避、住民は首都脱出

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スーダンからキプロスへと退避する英空軍機に乗る英国民/British Ministry of Defence/Getty Images

スーダンからキプロスへと退避する英空軍機に乗る英国民/British Ministry of Defence/Getty Images

(CNN) 国軍と準軍事組織の衝突が続くスーダンに4月30日、初めて赤十字の支援物資が到着した。3週間前に始まった国軍と即応支援部隊(RSF)の戦闘が収束する兆しは依然として見えない。

赤十字国際委員会は、8トン分の医療支援物資が30日にスーダンに到着したと発表した。

衝突が続く中、外国人は数千人がスーダンから退避し、首都ハルツームからは1万世帯以上の住民が避難している。

目撃者がCNNに語ったところによると、30日もハルツームの大統領宮殿付近で銃声が聞こえた。

28日に成立した停戦合意は不安定な状況のまま30日夕に期限切れを迎え、RSFは停戦を72時間延長すると発表したが、現時点で国軍からの発表はない。

ハルツームでは略奪が横行し、「治安維持」のため衝突の発生以来初めて、市内に警察が配備された。

現地の住民によると、ここ数日はスーパーマーケットや商店が激しい略奪の標的にされているという。

ハルツーム在住のスーダン系ドイツ人の男性はCNNの電話取材に応じ、RSFのメンバーによる略奪の被害に遭ったと訴えた。

「午前1時半、頭に突き付けられたカラシニコフ銃の音で目が覚めた。武装したRSFの男たちが現金を要求し、さもなければ殺すと脅した」

男性はそう語り、83歳の母と家族も銃を突きつけられて現金を要求されたと証言。一家は要求に応じて1万4000ドルを渡したほか、5000ドルを盗まれ、iPhoneを2台とiPadを1台、銃撃されて破壊されたと訴えた。

集団はトヨタのトラックの新車を盗んで立ち去ったといい、「縛り上げられていた警備員は3人は、略奪集団がRSFの装甲車4台でやって来たと私たちに話した」と男性は語った。

外国人の退避は続いている。英国は、自国民とその家族を中心に、これまでに2000人以上を退避させたことを明らかにした。5月1日には再度ポートスーダンから航空機で英国民を退避させるとしているが、行き先は分かっていない。

一方、中国は、4月26~29日にかけて自国民940人と外国人231人をスーダンから退避させたと発表した。

サウジ国防相の報道官は30日、これまでに100カ国の5197人がサウジの船でポートスーダンから避難したとCNNに語った。

初めて米国主導で民間の米国人を退避させる作戦は29日に完了。米政府の組織した車列が首都ハルツームからポートスーダンに到着した。

米国の外交官らは軍の作戦によって先に退避を済ませており、スーダンに取り残された民間の米国人は見捨てられたと感じて米政府に対する憤りを募らせていた。

しかし外国人が退避する一方で、スーダン国民の窮状は深まっている。戦闘が始まって以来、数百人が死亡、数千人が負傷。自宅から出られない状態が続く住民は、食料や水、医薬品、電力の不足に見舞われている。

ハルツームを脱出した住民は、市民が自分たちの家を提供する活動を立ち上げた北郊のシェンディに向かっている。過去2週間で1万世帯以上がハルツームから172キロ離れたシェンディに到達したという。

シェンディに親類がいない世帯には、シェンディや近郊の村の住民が無償で住宅を提供している。

この活動を組織した団体は、避難者に食料や飲料、医療支援を提供し、腎不全の恐れがある人は病院の近くの家に滞在させていると語った。

医療や住宅は全て無料で提供されている。

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