ロシア軍、クリミア北部の基地から装甲車を移動か 衛星画像
(CNN) ロシア軍はウクライナ南部クリミア半島の北部に設けていた重要な基地から装甲車を移動させたようだ。CNNが確認した最近の衛星画像で示されている。
ヘルソン州との境に近く、メドベージフカ村近隣にある基地にはかなりの数のロシア軍の装甲車があった。
欧州連合(EU)の人工衛星「センチネル2」が1月21日にとらえた画像にはロシア軍の大量の装備品が映っている。米宇宙企業マクサー・テクノロジーズの2月11日の高解像度画像では戦車や大砲の一部などを含む数十もの装甲車両が確認できる。
センチネル2が1月21日に撮影した画像/Copernicus Sentinel-2
そうした車両の大半は新たに撮影されたセンチネル2の画像では基地から消えている。
センチネル2が3月27日に捉えた基地の様子/Copernicus Sentinel-2
ロシア軍がそうした装備をなぜ、そしてどこに移転したのかは不明だが、ロシアが任命したクリミアの当局者は今月、クリミア半島を標的にしたウクライナ軍の反攻を予想していることをほのめかした。
ロシアが任命したクリミアのアクショーノフ首長は今月11日、「クリミアとクリミア半島出入り部分に防衛のための構造物を構築するという判断は正しく、理にかなったものだったと思う」と述べた。
マクサーの2月11日の画像では、塹壕(ざんごう)網や、「竜の歯」として知られる戦車の走行を阻むくさび形のコンクリート障害物など、防衛のための数多くの構造物がメドベージフカ村の近くに集中している。1月3日の画像ではそうした防御施設はずっと小規模だった。
防衛のための構造物について、アクショーノフ氏は「意図する目的で必ず使用されるとは限らない」などと述べた。
同氏の発言を踏まえ、専門家はロシア軍がメドベージフカ村の基地から軍装備を移したのはウクライナ軍の反攻に備えた防衛作戦に関係しているかもしれないと指摘した。