ロシア政府、調査報道ジャーナリストのグローゼフ氏を指名手配
(CNN) ロシア内務省がブルガリア人の調査報道ジャーナリスト、クリスト・グローゼフ氏の指名手配情報を公式サイトに掲載した。
グローゼフ氏はジャーナリズム団体「ベリングキャット」でロシアに関する調査報道を率いている。
ロシア内務省のウェブサイトには、グローゼフ氏について「刑法の条文に基づく指名手配」とする告知が掲載された。
独立系の人権監視団体OVDインフォによると、グローゼフ氏はロシア軍に関する「偽ニュース」が拡散したとされる事件について、捜査対象となっている。
ロシア政府はプーチン大統領がウクライナ侵攻を開始した直後の今年3月上旬、ロシア軍に関する「偽情報」とみなした情報を故意に拡散させることを刑法で禁止した。法定刑は15年以下の禁錮とされている。
グローゼフ氏は、多数の大型国際犯罪に対するロシアの関与について集中的に報道していた。この中には、2014年にマレーシア航空機がウクライナ東部に墜落した事件や、18年に英国でセルゲイ・スクリパリ氏と娘のユリア氏が毒を盛られた事件も含まれる。ロシア政府は再三、どちらの事件についても一切の責任を否定している。
2月にロシアのウクライナ侵攻が始まってから、グローゼフ氏は、オープンソースのデジタルツールを使って戦争犯罪などの残虐行為について伝えていた。
同氏は26日、自分がロシアで指名手配された理由は分からないと述べ、「何を根拠にクレムリンが私を『指名手配リスト』に掲載したのか全く分からないので、現時点では何もコメントできない。ある意味では何も問題はない。何年もの間、彼らが我々の仕事を恐れ、どんな手を使ってでも阻止しようとしていることは明らかだった」とツイートした。