マリウポリ市で伝染病蔓延の恐れ、数千の遺体放置などで
(CNN) ロシア軍が包囲し攻撃を続けるウクライナ南東部の要衝マリウポリ市の市議会は30日までに、市内の大半の地域での衛生環境の大幅な悪化や収容されずにいる数千体にも達するとみられる遺体の放置などを受け伝染病が蔓延(まんえん)しやすい事態に直面していると警告した。
ここ数週間、激戦が起きている同市にとどまっている市民は推定で約10万人。一元化された給水システムも機能していない。
市議会は28日、コレラ、赤痢、激しい胃痛や血性下痢などを伴う大腸菌感染症が広がる恐れがあると報告。耐えがたい状態を呈してもいる生活環境は気温の上昇と共にさらに悪化する可能性があるとした。
気温は既に20度に達し、がれきの下に置き去りにされている数千体の遺体の腐乱、飲料水や食料の壊滅的な不足などもあり悪性で致命的な伝染病が近く発生する可能性があると危惧した。
マリウポリのボイチェンコ市長は、占領者たちは残っている市民に食料、水や医薬品を渡しておらず、その関心さえもないと批判。「住民の退避の試みも全て妨げており、逃げられなければ住民は死んでいくだろう。破壊されたマリウポリは今や中世の時代の生活環境となっている。即座かつ完全な避難作業が必要」と訴えた。