(CNN) ウクライナのゼレンスキー大統領は15日、CNNに対し、ロシアのプーチン大統領がウクライナに対する戦争で戦術核兵器を使用する可能性に「世界のすべての国」が備えるべきだとの認識を示した。
ゼレンスキー氏は首都キーウ(キエフ)の大統領府からCNNの単独インタビューに応じ、プーチン氏はウクライナ国民の人命を尊重していないため、核兵器もしくは化学兵器の使用に踏み切る可能性があると述べた。
「私だけでなく全世界が懸念する必要がある。本当の情報ではない可能性があるが、真実の可能性もあるからだ」としている。この部分は英語を使用し、論点を強調した。
さらに「ロシアは化学兵器を使う可能性がある。彼らにとって人々の命など何でもない」「恐れるべきではないが、備えをする必要がある。ただ、これはウクライナだけでなく、全世界の問題だと思う」とも述べた。
幅広い話題に触れたインタビューで、ゼレンスキー氏はロシア軍艦の沈没やウクライナ軍の死傷者、戦争が自身や国民に及ぼす精神的負担について言及した。
ゼレンスキー氏は50日間続く戦争で一度もウクライナを離れていない。この間、ウクライナ軍はロシアによる首都キーウ(キエフ)奪取の試みに抵抗し、ロシアは戦争努力の重心を東部や南部に移さざるを得なくなった。
米当局者は、プーチン氏が追い詰められた場合、ウクライナで戦術核兵器の使用に踏み切る可能性があると警鐘を鳴らす。バーンズ中央情報局(CIA)長官は14日、CIAはこうした可能性を注視していると明かす一方、米国はロシアがそうした措置を準備している兆候をまだ確認していないと述べた。