チョルノービリ汚染区域にロシア軍が塹壕、兵士が被曝か
(CNN) ウクライナ当局は6日、チョルノービリ(チェルノブイリ)原子力発電所周辺の様子をドローンで撮影した新たな映像を公開した。映像には、放射性物質の汚染が激しい立ち入り禁止区域でロシア軍が掘った塹壕(ざんごう)が映っていた。
この映像はウクライナ軍が撮影し、同国の原子力発電公社エネルゴアトムがテレグラムで公開。いわゆる「赤い森」と呼ばれる区域に掘られた塹壕や、戦車の跡、地面が大きく荒らされた様子が映っている。
赤い森は、チョルノービリの立ち入り禁止区域の中で最も汚染が激しいとされ、たとえ原発の職員であっても、特別な許可なく立ち入ることは一切禁止されている。
エネルゴアトムは1日、ロシア軍が赤い森で何をしていたのかは分からないと述べ、ロシア兵は塹壕を掘る間に大量の放射線を浴びて被曝(ひばく)した可能性があると指摘した。
同原発の職員は、ロシア兵が防護服を着ておらず、ロシア軍の重機で巻き上られた放射性物質の粉じんを吸い込んだ可能性があると証言していた。
1986年に世界最悪の原発事故を起こしたチョルノービリは今年2月下旬、ウクライナで戦争が始まった最初の週にロシア軍が占拠した。3月31にロシア軍が撤収を発表し、現在は再びウクライナの管理下にある。
ロイター通信によると、赤い森の名は、広大な松林が放射線を吸い込んで赤く染まったことに由来する。