麻薬組織、著名ニュースキャスターを脅迫 メキシコ

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壁にかかれた「ハリスコ新世代カルテル(CJNG)」の落書き=4月、メキシコ・ミチョアカン州/Alan Ortega/Reuters

壁にかかれた「ハリスコ新世代カルテル(CJNG)」の落書き=4月、メキシコ・ミチョアカン州/Alan Ortega/Reuters

メキシコ市(CNN) メキシコ最大の勢力をもつ麻薬組織のひとつ「ハリスコ新世代カルテル(CJNG)」が、ニュース番組の著名キャスターを脅迫するビデオメッセージを公開した。

9日に公開された動画では、CJNGのリーダー、ネメシオ・オセゲラ・セルバンテス容疑者を名乗る覆面姿の男が、武装した6人の男に囲まれて、ミレニオテレビの女性キャスター、アスセナ・ウレスティ氏を脅迫している。

ウレスティ氏はミレニオテレビのニュース番組の中で、CJNGの暴力や、組織犯罪から地域社会を守るために結成された市民の自警団について頻繁に伝えていた。

CNNの独自取材では、動画の信憑(しんぴょう)性は確認できていない。

動画の男はミレニオニュースに対し、「あなた方はバランスを保つ必要がある。一方に偏るな。自分と関係のないことに口出しするな」と脅迫。「アスセナ・ウレスティに告ぐ。もしあなたが私のことを話し続けるのなら、あなたがどこにいようと、私はあなたをつかまえる。そしてあなたの言葉を撤回させる。たとえ女性殺人だと非難されようとも」と脅した。

ウレスティ氏は9日夜の番組の中で、脅迫を受けて連邦政府の保護を受けることになったと伝えた。動画の公開後に寄せられた支援の声にも謝意を表し、「私たちの仕事は常に真実を貫き、私たちのような国の現実を伝えることです」と言い添えた。

さらに、報道を理由に脅迫されている全てのジャーナリストを支持すると表明している。

ミレニオ・メディアも声明を発表し、組織犯罪に関する報道に伴う「危険」は認識しているとしたうえで、今後も公平な報道を続けるために尽力すると強調した。

メキシコの言論の自由推進団体によると、同国で殺害されたジャーナリストは2000年以来、141人に上る。

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