中国軍、インドとの係争地で兵力増強か 米衛星画像

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ゴグラ北部に駐屯する中国人民解放軍の戦車中隊や砲門部隊/Maxar Technologies

ゴグラ北部に駐屯する中国人民解放軍の戦車中隊や砲門部隊/Maxar Technologies

(CNN) 米人工衛星企業は26日、インド、中国両国軍が最近衝突したヒマラヤ地域の係争地周辺で中国軍が駐屯地を再建もしくは拡大したことを示唆する衛星画像を公表した。

同企業「マクサー・テクノロジーズ」が、インド軍兵士少なくとも20人が死亡した今月15日の衝突から1週間過ぎた22日に撮影した。衝突は両国の実効支配線に沿った川の渓谷で発生し、素手で殴り合ったり、こん棒などで戦っていたりした。

衛星画像は、衝突後に川の堤防で中国軍駐屯地が大幅に拡大された様子を示している。オーストラリアの戦略政策研究所のネイサン・ルーサー研究員は「小さな陣地だったものがかなり大きくなった。インド軍は解体出来なかったのだろう」と説明。

ルーサー研究員は以前、過去の衛星画像を基に、中国軍は定期的に支配線を越えインド側へ入る哨戒任務を行っていたが、15日の衝突場所には近付かなかったとも分析していた。

また、インドは今年5月、ガルワン渓谷で新たな陣地構築を始め、中国は関係する地域へ約1000人の兵士を移動させたとも説明した。

画像には、中国軍がゴグラ北部の駐屯地に戦車中隊や砲門部隊を配置している形跡もあった。また、コンカ峠では別の規模が大きい基地も見られた。

中国は自軍の死傷者の発生には触れていない。衝突はインド軍がガルワン渓谷の中国の支配地内に同国が築いた駐屯地の解体を試みたのが原因と主張。一方、インド外務省は、実効支配線沿いで大規模な兵力や兵器の増強を進めていた中国の責任に言及した。

インド内には今回の衝突を受け、中国は実効支配線での戦術をこれまでの係争地の哨戒の継続から占領の方針へ変えたとの見方もある。

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