タイ銃乱射、容疑者の母も説得できず 死者29人
(CNN) タイ東北部ナコンラチャシマ県のショッピングモールなどで兵士が銃を乱射した事件では、容疑者の母親も説得のため、現場近くまで駆け付けていたことが分かった。
当局者らによると、8日夜から9日朝まで続いた事件の死者は29人に上り、容疑者自身も警官に射殺された。58人が負傷し、このうち30人は入院して治療を受けている。
タイ公衆衛生省の当局者は9日、現場で7人の遺体が収容されたと発表した。この中に容疑者の遺体も含まれている模様。ほとんどの犠牲者は現場で死亡したが、2人は病院での手術中に亡くなったという。
モール内の保安チームを率いた軍の将官によると、同県と隣接する容疑者の出身地、チャイヤプーン県から母親を呼び寄せたものの、モール内に立ち入ることはできなかった。母親は同将官に、息子はうつ状態で極端に短気な性格のため、自分が話しても無駄だろうと話していた。
容疑者は盗んだ機関銃1丁と短銃2丁を持ち、機関銃には約800発の弾丸が込められていたという。
犠牲者の追悼集会に集まった人々/Lauren DeCicca/Getty Images AsiaPac/Getty Images
同将官によれば、モール内の低温貯蔵室に閉じ込められた人々から酸素レベルが極端に下がり、窒息しそうだというメッセージが届いたため、容疑者と対決するしかないとの決断に至った。突入後の銃撃戦で保安要員1人が死亡、3人が負傷した。
生存者の1人は地元テレビ局に、容疑者は人々の頭部を狙って高い精度で発砲していたと語った。
タイのプラユット首相は9日、容疑者が所属先の基地で、別の兵士と土地売却の手数料をめぐり口論になったのをきっかけに犯行に及んだと述べた。モールで人質を取っていたとも語ったが、人数など詳細には言及しなかった。