固有種の宝庫カンガルー島、3分の1が焼け跡に オーストラリア火災

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豪州にあるカンガルー島の3分の1が焼失したことがNASAの衛星画像で明らかになった/Nathan Edwards/Getty Images

豪州にあるカンガルー島の3分の1が焼失したことがNASAの衛星画像で明らかになった/Nathan Edwards/Getty Images

(CNN) 大規模な森林火災が続くオーストラリアで、固有種の宝庫だった南部のカンガルー島の3分の1が焼け跡と化した様子が、米航空宇宙局(NASA)の衛星画像で明らかになった。同島には絶滅の危機にさらされている固有種が多数生息する。

NASAの人工衛星が7日にとらえたカンガルー島の画像には、かつて豊かな緑に覆われていた地が焼け跡となり、今も火災が続く様子が写っていた。

カンガルー島は15万5000ヘクタールが火災にのみこまれたとNASAは推定し、「生態学的悲劇」と形容している。

南オーストラリア州南部沖に位置するカンガルー島は手つかずの自然で知られ、アシカやコアラといった野生動物や多様な鳥類が生息する自然保護区がある。

同島にしかいない小型有袋類の固有種エートケンスミントプシスや、絶滅の瀬戸際に追い込まれながら過去20年で個体数が回復していたテリクロオウムも生息している。

NASAがとらえたカンガルー島の衛星画像/NASA Worldview
NASAがとらえたカンガルー島の衛星画像/NASA Worldview

南オーストラリア州によると、カンガルー島の火災は12月下旬から燃え広がり、これまでに2人が死亡、住宅56棟が焼失し、建物数百棟に被害が出ている。

NASAの画像を見ると、焼失した地域は同島西部が大部分を占める。この地域には、カモノハシが見られる場所として人気だったフリンダースチェイス国立公園がある。

NASAによると、カンガルー島に生息していたコアラは、半分に当たる約2万5000匹が焼け死んだと推定される。

カンガルー島は、本土のコアラの間に感染が広がっているクラミジアが存在しないため、これまでコアラにとっての安全地帯と見なされていた。

森林火災はオーストラリア各地で数カ月にわたって続き、町全体が焼失した地域もある。焼失面積は全土で730万ヘクタールを超え、固有種が生息する草原地帯や森林、国立公園が焼け跡と化した。

シドニー大学の専門家によると、南東部のニューサウスウェールズ州では5億匹近い動物が被災し、数百万匹が焼死した可能性がある。オーストラリア全土で被災した動物は10億匹に達する可能性もあると指摘している。

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