オーストラリアで炎の竜巻発生、死者も 消火活動にも影響
(CNN) オーストラリアで過去最大規模の森林火災が続く中、同国南部の一部地域で「ファイアネード」と呼ばれる炎の竜巻が猛威を振るっている。
ファイアネードは、最大で高さ16キロにも達する火災積乱雲によって引き起こされる。
このファイアネードの発生により、周囲は普段以上に危険かつ予断を許さない状況になる。今週はじめにはトラックが炎の竜巻に巻き込まれて横転し、消防士が死亡した。
火災積乱雲は、火災の異常な高熱により急激な上昇気流が発生して形成される。煙は巨大なアンビル(金床)型のタワー状に立ち昇る。
豪気象局のベネット報道官は、この激しい雲は急速かつ予測不可能な変化をもたらすため、消防隊の消火活動がさらに危険になると警告する。
「火災時に風の観点から天候を予測することは極めて重要だが、火災の発生下で激しい雷をともなう嵐など風の環境が非常に変わる状況に見舞われる場合、風の予測は極めて難しいものになる」(ベネット氏)
ニューサウスウェールズ州の郊外部の消防当局トップは今週、死亡したボランティアの消防士の12トントラックは、火災が対流する竜巻のような風でひっくり返されたと説明。同消防士の後ろからついていた同僚は、事故時の現地の状況を「非常に恐ろしい経験」と語り、尋常ではない風は「炎の竜巻」だったと述べたと報告した。