センザンコウのうろこ14トン押収、過去最大規模の密輸摘発 シンガポール

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密猟や密輸の対象となり絶滅の危機にさらされているセンザンコウ/JIMIN LAI/AFP/AFP/Getty Images

密猟や密輸の対象となり絶滅の危機にさらされているセンザンコウ/JIMIN LAI/AFP/AFP/Getty Images

(CNN) シンガポール当局は9日までに、袋詰めにされたセンザンコウのうろこ14トン分を押収したことを明らかにした。ベトナムへ密輸される途中で、同種の摘発としては過去最大規模だという。

当局の声明によると、今月3日、税関職員がナイジェリアからシンガポールを経由してベトナムへ運ばれる貨物用コンテナの中身を調べたところ、230袋分のセンザンコウのうろこが見つかった。総重量は14トンを超えており、3870万ドル(約43億円)の価値があるとみられる。

「冷凍牛肉」のラベルが貼られたこのコンテナからは、センザンコウのうろこのほか象牙約180キロも押収された。

全身をうろこに覆われたセンザンコウは、猫ほどの大きさをした夜行性の哺乳類で、アリやシロアリをえさとする。世界で最も取引量の多い動物の一つとみられ、中国やベトナムでは珍味として食用にされるほか伝統薬の材料にも使われる。これらの地域ではうろこにぜんそくやがんへの治癒効果があると信じられているが、科学的な裏付けはない。

こうした需要から、センザンコウは密猟や密輸の対象となり、多くの種が絶滅の危機に瀕している。違法な取引の摘発も行われているものの、現時点で効果は限定的なものにとどまっているのが実情だ。

2月には香港で、センザンコウのうろこ8.3トン、象牙2.1トンを含む絶滅危惧動物の部位が押収された。価値は800万ドル相当で、同市で行われた摘発による金額としては過去最高水準だったという。

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