皮をはがれた生贄の神「シペ・トテック」の寺院、初めて発掘 メキシコ

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皮をはがれた生贄の神「シペ・トテック」がメキシコの遺跡で初出土した/Meliton Tapia Davila/INAH via AP

皮をはがれた生贄の神「シペ・トテック」がメキシコの遺跡で初出土した/Meliton Tapia Davila/INAH via AP

(CNN) メキシコ中部にある古代文明の遺跡から、皮をはがれた人の遺体が生贄(いけにえ)としてささげられた神「シペ・トテック」の寺院が初めて出土した。

国立考古学歴史研究所の2日の発表によると、中部プエブラ州にある先住民ポポロカ族の遺跡の発掘で、豊穣や戦争の神として知られるシペ・トテックの神像の頭部2体と胴体1体が出土した。

さらに、生贄の儀式に使っていたと思われる2つの祭壇も見つかった。この祭壇では、司祭が生贄の皮膚をそぎ落とし、再生の印として、生贄からはいだ皮膚で自らを覆う儀式が行われていた。

出土した遺跡の配置などは、記録に残された儀式の様子と一致しており、生贄は一方の祭壇で殺され、もう一方の祭壇で皮膚をそぎ落とされたと思われる。

神像のうち1体は、2つ目の右手が胴体の左腕の後方部分から垂れ下がる形で付いていた。研究チームによれば、これは皮をはがれた生贄の姿を象徴しているという。

神像の高さは約80センチ。胃の部分に穴が開いていて、ここに緑の石を挿入し、復活を象徴する儀式に使われていた。

頭部はそれぞれ高さ70センチ、重さ約200キロだった。

神像は儀式の一環として粉砕されており、今後の発掘でもう1体の胴体も見つかる可能性がある。遺跡は紀元1000~1260年ごろのもので、ポポロカ族はその後、アステカ族に征服された。

調査団がこれまでに発掘した構造物は全長約12.5メートル、高さ約3.5メートル。今後も発掘作業を続ける予定で、今回発見された神像は、現地の博物館で展示される。

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