(CNN) イエメン北部サアダでスクールバスがサウジアラビア主導の連合軍の空爆を受けた件で、空爆に使用された爆弾は米国務省が承認したサウジとの武器取引の一環で売却されたものだったことが18日までに分かった。弾薬の専門家がCNNに確認した。
9日に実施されたこの空爆では、子ども40人を含む51人が死亡した。CNNは今回、現地のジャーナリストや弾薬の専門家と協力し、使用された兵器が米ロッキード・マーチン製の500ポンド(227キロ)級レーザー誘導爆弾「MK82」であると突き止めた。ロッキード・マーチンは米国防総省の契約業者として最大規模の企業となっている。
CNNはサアダの情報提供者やカメラマンから攻撃直後と撤去作業開始後に撮影された爆弾の破片の画像を入手。複数の弾薬の専門家が分析した結果、破片に記されたナンバーからロッキード・マーチン製の爆弾MK82であり、レーザー誘導弾であると確認した。
弾薬の専門家は、爆弾の破片にあるナンバーからロッキード・マーチン製の爆弾だと確認した/CNN
この点について有志連合の報道官にコメントを求めたところ、作戦は国際人権法に基づき市民の犠牲を最小限にするよう手段を講じていると述べたものの、調査中との理由から踏み込んだ発言は避けた。
サウジアラビアは市民を狙ったことを否定し、空爆前日に反政府武装組織「フーシ」が行った弾道ミサイル攻撃に対する報復措置で「正当な軍事行動」だったと主張している。
攻撃で死亡した子どもの棺(ひつぎ)で悲しみに暮れる男性/STRINGER/AFP/Getty Images
米国防総省の報道官は、直接関与していない市民の犠牲について独自に検証する立場にないとしつつも、サウジへの弾道ミサイル攻撃も含め、このような犠牲を減らすように全当事者に呼びかけていると述べた。