大気汚染対策に「放水銃」の試験実施、インド首都圏

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大気汚染対策として霧状になった水を上空に噴き上げる試験が行われた

大気汚染対策として霧状になった水を上空に噴き上げる試験が行われた

ニューデリー(CNN) 世界最悪の大気汚染に襲われるインドのデリー首都圏政府は23日までに、汚染対策の一環として「放水銃」による試験を実施した。

デリー北部に位置し、大気汚染が最も深刻とされるアナンド・ビハール地区で終日行ったもので、効果が実証された場合、汚染の水準が悪化した際に市内全域に導入される方針。

貯水容器に接続された放水銃はトラック荷台に据えられ、霧状になった水を上空に噴き上げる。高さ230フィート(約70メートル)まで届くという。

雨滴がちり粒子に混ざり、地上での汚染効果を減らしていることから着想を得た。降雨の場合、大気汚染の水準が減少することは判明している。

放水銃の利用は2015年、これも大気汚染がひどい中国で広範に伝えられていた。

デリーでの試験利用は首都圏政府の環境行政当局と与党の汚染対策委員会が実施した。同政府の環境相はCNN系列局ニュース18に、大気汚染防止に関する一連の会合ではヘリコプターを使って散水する案も示唆されたと述べた。

ただ、放水銃利用の効果を疑う見方も出ている。デリーに本拠がある環境問題のシンクタンクは建設現場など限られた場所で粉じんを即座に解消させるなどの用途だけに有効と指摘。大気汚染を全般的に抑制する手段には不向きと主張。根本的な汚染対策には市内全域を対象にした構造的な変化などを狙う施策が必要と説いた。

ニューデリーの大気汚染は世界最悪の悪評も持ち、米環境保護局(EPA)が有害とみなす水準の約5倍にも達している。

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